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夫婦対談「クワズイモのくらし」

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2007年9月15日、唐津で1泊。

唐津といえば、大学時代、地下鉄でするっと何度も行きました。特に目的もなく、観光というよりは海を見に?それも百道ですむやん…。今回は唐津をきちんと観光しようぜと、いろいろ調べてでかけました。

油山を9時半頃バスで出て西新で下車。直行があるんですねえ。10時半頃、西新から地下鉄に乗りました。

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地下鉄は姪浜駅から筑肥線につながっていて、地上に出ます。この暗さと明るさのギャップが、なんか旅感。唐津に行くならやっぱり電車ですなあ…。ちなみにウチは、基本的に晴れ夫婦。親もそうなのだ。家系とかあるのか?夏の名残という感じで快晴、そして暑い。

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やほう!海が見えてきた!というあたりで、車体自体がぐぐっとナナメになってカーブを描く。糸島を過ぎて、唐津。1時間弱で着くのだ。

11時半、唐津駅で下車。まずは商店街の中にある「川島豆腐」に向かいます。駅からはぶらっと歩いて5分ほど。商店街の中は唐津焼きのお店がいっぱいある。

12時。「川島豆腐」は超有名店なのだ。店先で軽くお買い物したことはあったけど、奥で食事をいただくのは初めて。だって予約制な上に、朝と昼だけの営業なのだ。豆腐だからかな。

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ところで私は大のお豆好き。毎食2〜3種類の豆製品を食べてしまう。だからこの「川島豆腐」も全面的にとっても楽しみでした。頼んだのは1575円のコースで、本当に豆腐づくしでうは〜。

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豆乳をくいっと飲んだら、ざる豆腐とおから炒り。ざる豆腐は目の前にどーんと大きな陶器に網あげされていて、その姿がすでにすごく美しいのだが、おばちゃんがそこからウマイ豆腐をつるっと器についでくれる。おかわりもどうぞと言ってくださる。おからはすごくしっとりしていて、ちょっと苦手といっていた夫も美味いと言う。私は当然大大大好物。

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厚揚げ。なんと揚げたて。美味い。カドがピンとはって、ガワがかりっと中はとろっと。そして衝撃だがこれもおかわりどうぞと言われて、ふにゃふにゃになりながらお願いしてしまう。

これにみそ汁、うずみ豆腐、香の物、デザートと続きますが、お腹もやさしくいっぱいになる。

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ああ、なのにとうふソフトクリーム。ほわむわっと美味い。

唐津といえば、「唐津に来ています。かわいいですね」。フイルムがすりきれんばかりのあのCM「宮田の老舗」。唐津ではいろんな和菓子屋さんが松露饅頭を出しています。夫が食べ比べたいと言うので、「大原」と「宮田」で二つ売りなどをちまちまと買い込みました。ああ、にっこにこだよ。

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1時過ぎ。のんきにぶらぶら歩く。これは「旧唐津銀行本店」

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「うなぎ竹屋」は明治創業で、木造3階建ての建物は登録有形文化財に指定されてるのだ。うなぎのにおいもたまらないし、美しい建物。お腹一杯だというのにむぐぐと入りそうになりましたよ…。

2時。タクシーをひろって念願の「隆太窯」へ。駅から住宅街へ、そして畑が広がる市街地へ。10分くらいかな…。

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何も言うまい。

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深い知識はございませんが、深く堪能することはできます。静かなところで静かにしていましょう。

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来てよかったな。また来たいな。 すてきなところでした。

帰りもタクシーに来てもらいます。待ってる間に松露饅頭食べ比べ。

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…バカだねこいつら。

3時半。駅周辺から歩いて唐津湾の方へ。大名小路を過ぎて「時の太鼓」で右に曲がれば唐津城。だが突然の夕立で、そこを左に曲がってすぐの「カフェエルスター」に入る。

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ゆったりした空間に、カップとお豆がたくさん並ぶ。しかしそこは都会のおされクールカフェとはちがい、町の人たちがのんびり集まっている。やさしい雰囲気。この後あの!お宿にチェックインなので、どう考えてもお腹はセーブで、というのが最低条件なのだが、入り口に「木の実のタルト」的なことが書いてあってKOだ。すてきなキーワードが二つも入っている。そう、木の実とタルト。ヨワイなあ〜。コーヒーもとても美味しい。雨とクーラーで冷えた体にじわっとあたたかい。

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珈琲を飲んでいるあいだに雨が上がったのはいいけど、かなり蒸し暑い。あじじ。服がびっとりと体に張り付いている。

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4時を過ぎ、唐津城を過ぎてのんびりと舞鶴橋を渡る。ここからは宝当神社で全国的にも有名な高島が真正面から見える。どーんときれいな台形の島。御利益がありそうに見えなくもない。

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橋を渡ってから歩いて、住宅街の中に「洋々閣」を発見、到着です。いやいやいや。あこがれのお宿。

私が宿を選ぶ基準は、食事・建物・紙もの。食事は出迎えから夕食・朝食、宿で売っているものまで含めて。建物は、古くて清潔でかっこよくて遊びのある空間。特に木造・和空間を求めています。そして紙もの。パンフレット、アメニティ、とにかく宿が選んでそこに置くことを許している様々な備品がいかにスタイリッシュで魅力的か。これは私の職業柄でしょうか。

「洋々閣」は、食事、建物、そして隆太窯の作品を扱っているという点で、3条件をあっさりクリア。私たちが宿泊したときは、中里隆氏の次女花子氏の展示会も開催されていて、しごく満足、満喫。

部屋に落ち着くと、嵐が来た。外にいるときの嵐はいやだけど、今夜泊まるところに身を寄せて迎える嵐というのは、今いるところのあたたかさを実感できて好き。

お風呂をいただいて食事。待っていました。唐津なので、海の幸ということになるけど、そのまま、というのはお造りくらいで、しっかり気と手を入れた料理が並びます。器は隆太窯のものが多く使われていて、食べたり飲んだり眺めたりで、忙しいけれどいろいろに満たされていきます。

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洋々閣と言えばあら料理ですが、季節が早いということで、煮物は鯛。しかしこれがもう、永遠にこの魚むしっていたいぜ、というくらいの美味さ。粋で元気な仲居さんに「よくできました!」の太鼓判をいただくほど骨だけになってしまいました。

ウチの実家は、魚料理があまり出なかったので、そういうものをきちんと食べることがとても苦手でした。夫は、小さい頃から魚をたくさん食べて育ったので、きれいに食べてしまいます。私は家で魚をするときも、自分の食べ方が恥ずかしくて先に流しに持っていったりしていました。でも、美味しいなと思いながら、ここもあそこもと魚をむしっていると、ちゃんと食べることができるんだな、と気が付いてからは、苦手意識はなくなりました。

美味しかった!

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朝起きてまた美味しい朝食がならびます。朝食をいただくのは朝食どころですが、朝日がたっぷり入って美しい庭を眺める、まさに朝食をいただくためにあるよう。目覚めます。

大正元年に改築されたという建物。大きな流れに沿いながら、続けていくために少しずつ手を入れて今を生きている、そういう美しい建物です。

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渡り廊下の木の手すり。見に来て良かった…。

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建物をたっぷり堪能したので、いつもより遅めの10時にチェックアウト。今日は快晴!!!なのだけど、かなり暑い。あづい、という感じ、すごく蒸し暑い。

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長い石段を登って唐津城へ。お城のてっぺんまでずっと階段なのだけど、途中小さな窓から入る海風を頼らんとたまりませんな、というくらいあづい。売店でアイスを買って食べる。

宿で案内された「旧高取邸」が近いので、行ってみようと楽しみにしていたのだけど、入り口で今しがた出てきた人が「外は涼しいねっ!!」と「ぷはーっ」と息をついている。・・・。どんだけ暑いのか、旧高取邸。恐れをなして、さらに少し歩いた先の河村美術館に(涼みに)落ち着く。また来るよ、高取さんち。

お昼は「レストラン充」。ランチに美味しく洋食でも、という感じのさわやかなお店。地元の人が多いよう。となりの「西ノ門館」でも器を眺める。唐津ではどこでも土の器を眺められる。

電車で少し戻って和多田駅で降りる。蒸し暑いと思っていたらやはり夕立。まずは「大原老舗和多田店」へ。また松露饅頭、とおっしゃるあなた、ここはちがうのですよあれですよ、なんとできたての松露饅頭が食べられるのですよ!ヨワイな〜、「焼きたて」。

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雨に降られてもめげないその先には、こんな職人技。これ、見に行ってもらわないことには伝わらないのですけど、あの松露饅頭のガワってこんなやって作ってんだ!あつあつの松露饅頭ってこんなに別物なんだ!

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感涙。

何軒か歩いて、「茶房立花」で甘味をいただいて旅を終わる。

夕立にやられたり、べっとりとT シャツが肌に吸いつく心地悪さだったのだけど、これが思い出すとなんか甘い。唐津は、夫と私にとって、なにやら甘い、大好きな場所なのだ。

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